
国境が生まれて
僕らは離れ離れに
小さな弟は
声も上げず泣いた
満足でなくとも
ささやかなあの暮らしに
土足で踏み込んだ
兵士達も泣いてた
何もかも燃え尽きた
占領地に咲く花は
たゆまぬ人々の
希望の灯り
てふてふ 行きなさい
小さな命を燃やし
大空に羽を広げて
見知らぬ国まで
もしも時計の針を
戻せるなら僕らには
やれる事があったろう
失わずに済んだろう
「姉さん」と呼べる人が
かつていた事をあなたは
父から聞かされた
ちっぽけな石の前で
歴史の過ちに
淘汰された命が
時折姿を変え
仄めいてる
「忘れないで」
てふてふ 行きなさい
想いを形に変えて
歌う事はあなたの運命
見知らぬ街まで命の限り
てふてふ 音楽は
すべての憎悪も溶かす
旋律は言葉を越えて
あの娘にも届くと
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